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2023.08.15 脳梗塞の後遺症

脳梗塞後に疲れやすくなる生活場面とその原因を解説

脳梗塞後に疲れやすくなる生活場面とその原因を解説

脳梗塞の症状と聞くと、「手足の麻痺」、「しびれ」、「高次脳機能障害」などをよく耳にすると思います。「疲れやすさ」は、これらの症状の結果として生じる悩みであり、症状として紹介されることは少ないように思います。麻痺により体が不自由なため、「疲れる」「大変」なのは多少は仕方ないと思います。しかし、これが習慣化してしまうと、徐々に体が硬くなり、痛みが出るといった更なる問題に繋がってしまう可能性があります。そこで、今回は、脳梗塞後遺症後の「疲れやすさ」について、当センターで訴えの多いケースを参考に考えられる原因と改善策をご紹介させて頂きます。

目次

・意外に悩んでいる方が多い「脳梗塞後の疲れやすさ」
・後遺症のひとつとしてみられるあくびや眠気
・当センターではこのようなお悩みに対して、リハビリ的視点から改善に取り組んでいます。

意外に悩んでいる方が多い「脳梗塞後の疲れやすさ」

頭を押さえて悩む男性

脳梗塞後の後遺症は多岐にわたり、当事者の方はそれぞれ様々な悩みを抱えています。そんな悩みの中のひとつとしてよく挙げられる「疲れやすさ」。脳梗塞発症前は全く気にも留めていなかったことも、いざ退院してやってみようとすると疲労感が全身につきまとい病前の何倍も時間がかかってしまった、という経験は脳梗塞後の後遺症に悩まされる多くの方がお持ちだと思います。以下では「脳梗塞後の疲れやすさ」について、訴えの多いケースを例に挙げながら原因や改善策について触れていきます。また、後半では疲労と関連性が強い「睡眠」について考えながら疲労感を少しでも緩和する改善策についてアイデアを共有したいと思います。

生活の中で疲れる場面が増えた

漠然と「生活の中で疲れる場面が増えた」と感じる中で、比較的多くの方が訴えるのは以下の4つのケースです。

・長距離を歩くのが疲れる
・人ごみの中を歩くのが疲れる
・麻痺側で食事する際に腕が疲れてしまう
・長く座っていると疲れてしまう

ひとつずつ原因を紐解きながら、実践できる具体策について考えてみましょう。

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Q.長距離歩くのが疲れる

良く聞かれる訴えのひとつとして、「疲れてしまって前ほど長い距離、長い時間が歩けない」というものがあります。長い距離を歩くととても疲れる、徐々に足が重くなるという状態を、おそらく脳卒中後遺症患者様の多くが経験した事があるのではないでしょうか。脳梗塞になる前と比べて歩く距離そのものが少なくなったから体力や心肺機能が落ちた、というのももちろん大きな原因のひとつですが、実際は他にも原因があります。

・運動麻痺で手足を動かしにくい
・感覚麻痺で歩いている感覚を感じにくい
・効率的な身体の使い方が出来ず、疲労がたまりやすい歩き方をしている

長距離歩行の疲れやすさを考えた場合、根本の問題は「効率的な身体の使い方が出来ていない」という点に集約されます。本来、直立二足歩行という人間の歩行特性を考えると、歩行中は筋肉を過剰に使用しておらず、効率的に全身を使いながら重心の位置を前へ前へ移していると考えられています※1。しかし、運動麻痺や感覚麻痺があると、ご本人様が感じている以上に歩くことを頑張り過ぎたり、「足を上げて歩こう!」、「こういう風に歩こう!」と、意識的になり過ぎる傾向があります。その結果、非効率な歩行動作になりやすく、疲れやすくなってしまうのです。

これを踏まえて長い距離を歩くためには、以下の点が重要になります。

① 頑張って歩くのではなく、腕が自然と振れるように一番楽な姿勢で歩く

② 歩くことに夢中にならないように好きなところを見て歩く、できれば景色を楽しむ

③ 杖などの道具を使用している場合は、自分に合った長さや種類かを確認する

まずはこういった効率的で楽な歩き方とはどのようなものかを、知識として知ることが重要だと考えます。

  • 『腕を振るために、一番楽な姿勢で歩く』

自然と楽に歩くために、「腕を振る」ことが大切であることは、皆さんも想像がつくと思います。では、「なぜ手を振ることが大切なのでしょうか?」また、「わざと振ればいいのでしょうか?」。

実は、腕を振るという動作は歩行をリズミカルにしつつ安定させる上で非常に意味のある動きであり、この動きはどちらかと言うと意識的に行うのではなく脳が半無意識的にコントロールしていると言われています。つまり、「腕を振るのは楽に歩くために必要だが、意識的にやるものではない」ということです。麻痺があると、正常に近づけたいという思いや動かしにくい影響で、意識的に腕を振ろうとする傾向が強いように思います。意識的に腕を振ろうとすると、楽に振れる範囲よりも大きく振ってしまったり、不自然な振り方になるので、かえって身体が不安定となります。その結果、身体は安定させようと余計な筋肉を使って身体を硬く固めようとします。そのような歩き方では、距離が長くなればなるほど疲れがたまってしまいます。お薦めは、「一番楽な姿勢で歩く」ことです。腕が勝手に振れると理想ですが、振らない方が楽であれば、振る必要はないと思います。今後、振れるような身体をつくることを目標にリハビリを行っていただけるとより嬉しく思います。

  • 『上半身を起こすために、好きなところを見て歩く、景色を楽しむ』

麻痺している足が出ているか、つまずかないかを気にして、つい足元を見ながらうつむき加減で歩く方が多いと思います。では、「下を見て歩いてはだめなのでしょうか?」「どこを見て歩くのが正常なのでしょうか?」。

下を向いて歩くよりも前を向いた方が、上半身が起きることで足が出やすかったり、腕が振れやすいのは想像つくと思います。身体の使い方で考えても、背中を丸めて歩くと歩行のエネルギー効率は悪くなり、様々な関節にも負担がかかりやすくなります。また、疲れやすそうなのも容易に想像がつくと思います。このように考えると、もちろん前を見る方が楽に歩ける可能性があります。しかし、健常者がずっと前をみているかというと、段差がないか下をみたり、人が急に来ないか周りを見渡したり、花を見て季節を感じながら歩いていると思います。つまり、「前を見ると上半身が起きて歩きやすい、一方で色々なところを見ることも良いですし、見た方が安全に歩ける、歩くことに夢中にならなくなる」ということです。麻痺の方で問題になるのは、歩くことだけに必死で、ずっと一方向しかみておらず周りの環境や状況に合わすことが出来ない余裕なない歩き方になっていることです。お薦めは、「楽に歩くために好きなところを見る、楽に歩くために上半身が起きたらいいな~と心の中で思う」です。公園での散歩風景を想像してみて下さい、「一生懸命手を振って足を上げて必死に歩いている人」と「周りの景色を楽しんだり、風を感じながらのんびり歩いている人」ではどちらが疲れるでしょうか?どちらを目指したいですか?私は、後者だと思いますし、せっかくリハビリで正常な歩き方を目指すのであれば後者を目指して頂きたいと思います。

  • 『杖の高さ、道具が今の自分に合っているかを確認する』

杖を使用している場合は、手を振って歩くというのは難しいかも知れませんが、胸を起こす意識はした方が良いでしょう。その際、病院で処方された杖や歩行器などの道具を使用されている方もおられると思います。退院から時間経過が長いと今の身体の状況と合っていない場合もあるので、道具が自分にあっているかも確認するのも大切です。例えば、杖が適切な高さに設定されていないといくら上半身を起こしたい、前を見たいと思っても上手くいきません。なんとなく杖の長さを決めている方も多いですが、出来るだけ専門知識のある方に長さを合わせてもらいましょう。

【杖の高さの合わせ方】

杖の長さの目安は股関節の付け根から床まで。自然に杖をついた時に、握る部分が腰骨あたりに位置していれば問題ありません。人によって歩きやすい長さは異なりますので、あくまで上記は参考程度として考え、自分が最も楽に歩ける杖の長さを心がけましょう。

Q.人ごみの中を歩くと疲れる

人ごみの中を歩くと疲れるという訴えがある場合、

・そもそも歩き慣れていない
・人との距離感が掴みにくい
・動作がゆっくりであるためすぐに反応できない

多くのケースでこういった要素が影響を及ぼしてきます。

脳梗塞の後遺症によって普段から歩く習慣が減り、歩き慣れていない場合は、広い空間であればまずまず歩けますが、細い道や道の途中に人が居たりすると接触しないよう身体に力を入れて歩こうとしてしまう傾向にあります。これが、過度な疲労感に繋がります。スキーやスノーボードを習いたての感覚に近いかも知れません。

~感覚として近い場面~

スキーやスノーボードを習い始めたばかりの時の感覚。

ゲレンデの広いスペースではすいすい滑れるのに、いざ人が多い所や狭い道になると途端に上手く滑れなくなるあの感覚です。

脳梗塞の病巣によっては空間的なイメージや把握が難しくなってくる場合があります。そのため人や物との間隔を見誤り、避けたと思ったのにぶつかったり足が引っかかったりしやすくなります。そして、麻痺や身体のこわばりで素早い動きがとれないため、突然目の前を人が横切るなどの場面でとっさの反応が難しくなるというのも多くの人が訴えます。また人混みの中のように、たくさんの情報をキャッチして処理しなくてはならない環境下では、神経的にも疲労しやすくなります。

ひとつの解決策として考えられるのは、少しずつ人がいる空間を歩く頻度を増やしながら、身体を慣らしていくことです。普段杖やシルバーカーを使用しない人であれば、そういった場面だけ杖やシルバーカーを使用するというのもひとつの方法です。また、少しでもスムーズに動かせる身体にするため、日頃からストレッチを行って身体を柔らかくすることも重要です。

Q.麻痺側で食事をする際に腕が疲れてしまう

食事中に麻痺側の手が痛くなってきてしまい、途中からスプーンに変えなければいけなくなる、といったケースについて考えてみましょう。麻痺があるのだから麻痺側の手で食事をすると疲れてしまうのは当たり前、と考える方もいると思いますが、こういったケースでも原因はひとつではありません。

・体幹がしっかり機能していない
・座り方が良くない

意外にもこれらの要素が大きく関わってきます。

まず、腕を使う場合はその土台となっている体幹、いわゆる胴体の部分がしっかりと安定していないと思うように動かせません。普段から横になっている時間が長い人は体幹の機能が低下している事も多いので、結果的に麻痺側の腕を使う時に不自由と感じてしまう場面が多くなってしまいます。

また、その体幹機能に関連する部分でもありますが、麻痺があるとつい背もたれに寄り掛かった仙骨座りや非麻痺側のお尻に重心が偏った座り方になりがちです。

仙骨座りと坐骨座り

こういった座り方が常習化することで猫背になったり全身的に捻じれたような姿勢になったりと益々体幹の機能を低下させることになります。

解決策としては、麻痺側の腕の柔軟性や筋力を確保するとともに、座り方や離床時間についても目を向ける必要があります。普段から横になっている時間が多くあまり歩かないという人は、まず起きている時間を増やし無理のない範囲で散歩など歩く時間を確保しましょう。そして座り方ですが、こちらは専門的なリハビリを受けながら正しい方法を教えてもらうというのが最善策となります。そういった環境を確保するのが難しい人は、まず背もたれに寄り掛からず左右のお尻に均等に体重を乗せて座る癖をつけましょう。これだけでも体幹を機能的に使うことが出来ます。

これらの事を意識しても中々腕の疲労感が和らがないという場合は、食事用の補助具を使用するのもひとつの選択肢です

Q.長く座っていると疲れてしまう

長く座っていた後に上手く立ち上がれない、という訴えも良く聞かれます。これについては

・脳梗塞後の筋肉のこわばりやすさ
・動作や姿勢の切り替えの困難さ

こういった部分が関与してきます。

脳梗塞後は筋肉の緊張が高まりやすく、筋肉が本来持つ伸張性が損なわれやすくなります。そのため脳梗塞発症前と比べると同じ姿勢でいる時間がそれほど長くなくても筋肉が硬くなったと感じやすくなります。

また、筋肉の硬さはもちろんですが脳梗塞後遺症の方は動作の切り替えという部分でも不自由さを感じやすいと言えます。これは立ち座りだけではなく、歩いている時に急に止まったり方向を変えるという際にも言える現象です。

解決策としては、普段から骨盤や股関節周囲の筋肉をしっかりとストレッチ・マッサージ等で柔らかくしておくことが挙げられます。前述したように座っている時の姿勢を意識したり、座っている間もこまめに姿勢を変えるなどの対策も効果的です。普段のリハビリとして立ち座りの練習を反復的に行うことも、筋肉のこわばり軽減と姿勢切り替えの練習として非常におススメですので、隙間時間などに取り組んでみてください。

睡眠と疲れやすさ

ここからは疲労と睡眠の関係性について触れながら具体的なケースについて考えてみましょう。

Q.寝ても疲れが取れない。体が硬くなる

寝ても疲れが取れない、体が硬くなるという点については、

・眠りが浅い
・ベッドや枕が自分に合っていない

この2つの要素が強く関わってきます。

脳梗塞後は自律神経と呼ばれる交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなるため(※2)、以前は睡眠不足に悩まされることはなかったのに脳梗塞発症後は上手く眠れなくなったという声もよく耳にします。

脳梗塞後はベッドや枕の選択にも気を配る必要があります。特にマットレスの硬さや枕の高さは、ちょっとした違いでも横になった際のリラックス感が変わってきます。自分に合った寝具を使用していないと、特にベッドに接している背中側の筋肉が過剰に緊張し硬くなりやすくなるため、起きた時全身の硬さや腰痛等を自覚しやすくなります。

対策についてですが、出来るだけ規則正しい食生活を心掛ける事が重要です。

ベッドやマットレス、まくらについては人それぞれ合うものと合わないものがあるので、色々と試してみる中で自分に合ったものを見つけていきましょう。ポイントとしては、寝た時に寝具と自分の間に隙間がなく身体の背面全体がリラックス出来るものを選ぶことです。ご自身で判断するのが難しいようであれば福祉用具の業者の方や寝具販売店等でアドバイスをもらうのも良いと思います。

もし、様々な対策を講じても睡眠の質が悪いと感じる場合は、後述する「睡眠時無呼吸症候群」などの病気が隠れている可能性もあるため、医師に相談してみることも選択の一つです。

Q.腰が痛くて起きてしまう

腰が痛くて起きてしまうという話も度々耳にします。就寝時の腰痛の主な原因は

・ベッドや枕が自分に合っていない
・脊柱や股関節が硬い

この2点です。

ベッドや枕の影響については前述した通りですが、それ以外の原因として非常に多いのが脊柱や股関節の硬さによるものです。こういった箇所が硬いと寝た時に腰周りへの負担が大きくなりやすく腰痛に繋がります。

脊柱や股関節の硬さに関しては、日頃から意識して動かす、ストレッチをするという事が最も重要です。特に普段腰を曲げて猫背で歩いている方は股関節が後ろに伸ばしにくくなっている方が非常に大きのですが、こういった方は寝た時に腰痛を訴えるケースが増えてきます。そういった意味では、歩き方に関しても記事前半で述べたような姿勢を意識する必要があります。

後遺症のひとつとしてみられるあくびや眠気

目をこする男性

後遺症のひとつとしてみられるあくびや眠気についてですが、こちらに関しては脳内の酸素量が関係しています。脳は十分な酸素が供給されないと眠気やあくびが出現しやすくなります。

脳梗塞後は健康な時よりも脳の血流量が減少します。脳に酸素や栄養素を運ぶ血液の巡りが少なくなるということは、脳の活動が制限され、覚醒状態を維持することが困難になることを意味します。

脳梗塞の発症リスクを高める要因として、睡眠時無呼吸症候群というものがあります。病態としては、睡眠時に無呼吸になる時間があり脳に酸素が十分に送られなくなるというものです。脳梗塞患者様はこの睡眠時無呼吸症候群を併発されている方が非常に多くいらっしゃいます。(※3)

・睡眠時にいつもいびきをかく
・眠りが浅い
・しっかり寝たつもりなのに翌朝スッキリしない
・日中、強い眠気に襲われる

こういった症状が気になっているという方は、一度医療機関で睡眠時無呼吸症候群の検査を行ってみてはいかがでしょうか。

当センターではこのようなお悩みに対して、リハビリ的視点から改善に取り組んでいます。

脳梗塞リハビリBOT静岡では脳梗塞の後遺症による手足のつっぱり(痙縮)の改善など、さまざまなメニューを用意しております。90分体験プログラムでその効果を感じて頂くのが最もおすすめの方法ですが、まずは一度相談を、という方には「専門家への電話相談」というサービスをご用意しております。以下フォームから必要事項をご入力頂くと、脳梗塞リハビリBOT専属の理学療法士から折り返しご電話をさせていただいております。ぜひお気軽にご利用下さい。

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【文献】
※1畠中泰彦 理学療法学第40巻第8号 歩行分析・動作分析のグローバルスタンダードhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009392302/_pdf
※2後藤文男 脳卒中と自律神経機能https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/3/2/3_2_100/_pdf
※3野村哲志 脳血管障害と睡眠障害https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/34/6/34_S141/_pdf/-char/ja

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