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2020.07.14 脳梗塞の後遺症

脳梗塞後遺症 麻痺していない半身への影響 |非麻痺側体幹にはどんな問題が起こる?

保本 夢土

この記事の監修者

保本 夢土

理学療法士

脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)になると、障害された脳とは反対側の半身に運動の麻痺が生じます。麻痺した側を「麻痺側(まひそく)」、麻痺していない側を「非麻痺側(ひまひそく)」と呼びます。左片麻痺の場合は、右側の半身が非麻痺側となります。

今回は、
・「非麻痺側の体幹にはどんな問題が起こるのか?」
についてお話させて頂きます。

麻痺側の手足だけではなく非麻痺側の体幹に対してリハビリをすることが、麻痺および動作の改善に繋がる可能性がある事を知って頂ければと思います。

体幹とは?

体幹とは、頭部、手足を除いた部分(下図の青い四角)を指します。
専門用語で言うと、胸郭(肋骨と胸骨)、脊柱(背骨)、腹部(おなか)を指します。

 

片麻痺になると非麻痺側の体幹を支配している神経が障害を受ける可能性が高いです。

「姿勢を保つ神経」が障害されることで非麻痺側体幹に問題が生じる

例えば、左手を真横に広げようとすると、右の脳から2つの神経を介して指令が出されます(①「左手を動かす指令を与える神経(図1赤矢印)」、②「右半身の姿勢を安定させるように指令を与える神経(図1青矢印)」)。
②のシステムを網様体脊髄システム・前庭脊髄システムと呼びます。

健常者では、左手を真横に広げようとすると、左手が動く前に先に右半身が働きます。左手の重さにつられて右半身がグラグラしたり、左側に傾かないように安定を保つ力(重力に対して上方向への力、図2オレンジ矢印)が左手を動かす前に働きます。つまり、左手が動く前に無意識に左手の重さを予測して右半身を安定させてくれる能力が体には備わっています。この動作前に予測して姿勢を準備する能力を「予測的姿勢制御(図1青矢印)」と言います。これは、左手足を動かす際は、右の体幹を安定させるというように、動く方とは反対側の体幹に働きます。

例えば、病気(脳梗塞や骨折など)や加齢により筋力低下や体が硬くなると、予測的姿勢制御が働きにくい状況になります。そうすると、図3のように上方向の力(図3オレンジ矢印)が弱くなり、右の背筋をまっすぐ保つことが難しくなってしまい、体が右に傾き腰が曲がった状態(図3黄色矢印)となってしまいます。つまり、左の肩から手に麻痺などの問題がなくても右の体幹の予測的姿勢制御が不十分になる事で、結果的に左手が上がりにくくなってしまうという問題が起こります。

左片麻痺の場合

左手を動かそうとした場合(図4)、右脳から「左手への運動の指令(図4赤矢印)」と「右体幹への予測的姿勢制御による安定の指令(図4青矢印)」が出ます。しかし、左片麻痺では、右脳が障害されているため、麻痺手(左)が動かないあるいは動かしにくいことに加え、非麻痺側体幹(右)の予測的姿勢制御の障害(図4青矢印)が起こります。それにより、右の背筋を伸ばし安定させるための上方向への力が弱くなり(図4オレンジ矢印)、体幹が不安定になってしまいます。それにより、体幹がぐらぐらする、傾いてしまうような現象(図4黄色矢印、非麻痺側は、体は右に傾き腰が曲がる)が見られてしまいます。その結果、「非麻痺側の体幹の予測的姿勢制御」と「左手の麻痺」の2つの問題で、左手は動かしにくくなってしまいます。

では、これをどのようにリハビリに生かしていくかというと・・・
麻痺した手が動くようにリハビリを行う場合、

1.麻痺した手にリハビリをする

→図4の赤矢印に対してリハビリをする。

2.非麻痺側体幹の予測的姿勢制御に対してリハビリをする

→図4の青矢印に対してリハビリをする。

といった最低でも2つの方針が考えられます。したがって、麻痺側にリハビリをしても中々効果が出ない場合、非麻痺側体幹に問題がある可能性が考えられます。そのような場合は、非麻痺側体幹に対してリハビリをすることで麻痺手が動きやすくなる可能性があると考えます。

今回は、非麻痺側体幹には、脳卒中による神経の障害として予測的姿勢制御の障害が生じ、腰が曲がり体が横に傾く傾向がある事をお話させていただきました。なぜ手が動かないのか、動作が大変なのかを全身から考えることが大切と考えています。ヒトの体には色んな可能性があると思いますので、色んな視点からリハビリを提供できるように尽力したいと思います。

 

保本 夢土

この記事の監修者

保本 夢土

理学療法士

経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。

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