実績
当センターでのリハビリ症例について詳細な情報を掲載しています。発症からの期間、後遺症の程度を問わず、多くの方がご自身の改善目標を達成されています。
【動画あり】60代/脳梗塞/左片麻痺 リハビリによる改善事例のご紹介

この記事の監修者
保本 夢土
理学療法士
歩行が安定したため2か月間出来なかった40分の散歩を再開でき、階段の降りも手すりを使わず降りても恐くなくなった。

改善内容
達成した目標
歩行が安定したため2か月間出来なかった40分の散歩を再開でき、階段の降りも手すりを使わず降りても恐くなくなった
レビュー
基礎情報
- ご病名
- 右視床出血(左片麻痺) 2020.7
- 具体的な症状
- 両手、特に左手と顔のしびれが強く寒い時は痛みに感じることもある。歩行は、左側へのふらつきと左足のドタドタ着くのが気になり、2か月前から左腰痛が出現し散歩ができなくなった。さらに、左足が重く支えが弱いため階段昇降も手すりがないと怖い。
- 年代・性別
- 60歳代・男性
- 発症からの期間
- 約5年
- リハビリ期間
- 60日リハビリプログラム16回(週2回、1回90分)
- リハビリ目標
- "①意識しなくても楽に歩けることを知り、リハビリ終了後も身体が硬くならないように、腰痛が出ないように管理できるようにする。 ②歩行時の左足の重さ・ふらつきが減り、左足の振り出しが自然と楽に出るようにんある。 ③歩行時の左腰痛の軽減、散歩の再開(以前同様40~60分を目標) ④階段昇降、特に降りが楽になり、恐怖心を減らす。会社でも手すりを使わなくても階段昇降が出来るようにする。 ⑤しびれが少しでも軽減する"
- 利用メニュー
- 60日リハビリプログラム
- 利用回数
- 16回
当センターご利用までの経緯
- 退院後、足のしびれは軽減するが、両上肢・顔のしびれは残存する。動いていれば気にならない程度のため復職もされる。
- 1年前から、左顔~手にかけてのしびれが気になるようになる。
- 退院後、毎日40~60分の散歩、年に3.4回のゴルフをやるなど定期的に運動を継続。退院後はリハビリは実施していない。
- 2か月前から腰痛が出現し、歩行も不安定になり、一度しっかり治すために当施設を利用される。
初回体験時の状況
- 復職もされ生活は自立されているが、しびれ・腰痛・歩行の悪化により生活への支障が出てきている
- 歩行は外見的には麻痺しているようには見えず、左右へのふらつきはあるがとても上手。しかし、常に意識的であり滑らかさに欠け、意識をやめてもらうとふらつきが強まる
- 意識的にふらつきを止め、左足をまっすぐに歩こうとする結果、身体の硬さが出てしまい、特に左腰に負担がかかる歩き方になっていた。
- 努力的な歩行を継続してきたこともあり、加齢とともに身体へかかる負担が痛みや歩きずらさに出ていた。
リハビリ内容
- 長期間の努力的な動きの影響もあり姿勢の非対称が強く、まずは姿勢の非対称を軽減するところから介入した。特に首を努力的使う傾向があったため、首から介入。
- 努力的な動きが癖になり、早い動作の方が楽であるという考え方が強かったため、目標を具体的にすること・何が楽に感じるのかに焦点をあてリハビリをすすめた。
- 歩行では、意識的に正常な歩行に近づけようとする傾向があり、それが左腰痛を助長していたため、無意識に歩ける身体となるように介入した
- 下肢に対しては、骨が少し正常な位置からずれ支えにくい構造となっていたため、まずは支えらる状況になるように介入
改善内容
- 首が軟らかくなるにつれ、背骨の軟らかさも向上し、歩行時の滑らかさが向上してきた。歩行時に楽なところを見て歩けるようになり、意識しなくても楽に歩けるようになった。左足の支えも向上し、歩行時の左腰痛が消失し、バタバタ歩くのも改善した。
- 「歩く前に膝の曲げ伸ばしをしなくても歩けるようになった、歩いているときに気になることはなくなった」という声も聞かれ、40分の散歩も再開できるようになった
- 何が楽なのかが分かるようになると、「早く歩くよりもゆっくりの方が楽。もう少しゆっくり歩いたり階段の昇り降りができるようになりたい」と目標も明確になるなど意識の変化も現れた。
- 階段昇降の恐怖心も軽減したが、仕事で重い荷物をもって階段昇降を一日に何回もすることもあり、階段昇降時の努力度の改善は時間がかかった。最後は「ゆっくり昇り降りする方が楽、速くしなければふらつきもしない。手すりなくても恐くなくなってきた」と今後の管理方法も少しは理解できるようになった。
- 以前は、立位・歩行では常に顔を上げ、背筋を良くする傾向があったが、楽なところ見れるようになり、首は普段から硬くならないようになった。それも影響し5年間改善がみられなかった食事時のムセが改善された。しびれに関しては、運動時は気にならなくなったが、程度の改善は見られなかった。
担当セラピストのコメント

この記事の監修者
保本 夢土
理学療法士
経歴:2008年に鈴鹿医療科学大学 理学療法学科を卒業し、理学療法士国家資格を取得。同年~2018年まで静岡県内の療養期の病院、介護老人保健施設に勤務し、慢性期の患者様に携わる。その中で脳血管障害に対する治療を中心に学び、脳卒中患者様を専門に携わりたいという思いから、2019年に脳梗塞リハビリBOT静岡に勤務。運動麻痺の改善に最善を尽くすこと、お客様の身体および精神的な悩みを共有し、少しでも表情が明るくなるよう心がけています。
約2か月間のリハビリありがとうございました。しびれに関しては、改善は見られずお力になれなかったのがとても残念ですが、歩行や腰痛、階段昇降の改善が少しは見られ、散歩を再開でき良かったです。少しでも今後の身体の管理方法が理解できていると嬉しいです。今後はゴルフの再開を応援しております。